虫歯って何?
口の中にはたくさんの細菌が生息していますが、虫歯の原因となる細菌は「ミュータンス菌」と呼ばれています。ミュータンス菌の生産する酸により歯が溶かされ、穴の開いた状態「齲蝕(うしょく)」となっている歯を虫歯と呼びます。菌はチョコレートやキャラメル、飴といった糖分を含むお菓子などによって活発に働き始めます。食後にお口の中に糖分が残っているとそれをエサに虫歯菌が「酸」を出し、歯を溶かします。砂糖を多く含む甘いものには要注意です。
虫歯の原因は人それぞれです。患者さん一人一人に合わせて予防のプランをたてます。
当院では虫歯のリスクを一人一人調べ、ご自身にあった予防プランを立てます。この虫歯のリスクを調べる検査をサリバテストと言います。サリバテストは唾液検査とも呼ばれ、あなたのお口の状態と食生活、唾液を調べて、むし歯のなりやすさをチェックする検査のことです。サリバテストでは、虫歯菌から歯を守る力や抵抗力がある唾液の「作られる量」や「緩衝能(中和力)」、虫歯の発生・進行要素である「虫歯菌の数」に対しテストを行います。
唾液の緩衝能の検査
唾液の量を測定することで、「食べ物を早く洗い流す」「歯の質を強くする」「抗菌作用の働き」などの力が、どの程度あるかが分かります。また、緩衝能は食べた後に歯が溶けやすい酸性に傾いた環境から中性に戻す力を調べます。
ミュータンス菌の検査
虫歯を引き起こす菌で、歯に粘々したプラーク(歯垢)を作ります。また、糖類から酸を作ることで、お口の中が酸性に傾き歯を溶かす原因にもなります。
ラクトバシラスの検査
虫歯を進行させる菌で、強い酸を作り歯を溶かしていきます。
以上の結果をまとめレーダーチャートを作り、ご自身にあった予防プランをたてます。
では、どうやって虫歯を予防すればいいの?
虫歯予防は寝る前の歯磨きが一番大切です。寝ている時間は唾液の量が減り、虫歯になりやすい時間です。寝る前は虫歯予防のためにも必ず歯磨きをしましょう。歯磨きで気をつけることは歯と歯の間まで汚れを落とすことです。虫歯のほとんどが歯の間から発症します。 歯ブラシだけでなくデンタルフロスを併用することで磨き残しを減らします。フッ素入りの歯磨き粉を正しく使うと予防率30〜40%虫歯を減らすことができます。粉のゆすぎは1回程度で口に味が残る程度が効果的です。歯科医で販売されているフッ化ナトリウム洗口液を使用すると、さらに虫歯のリスクを抑えることができます。 後は、間食をなくす食生活の改善やキシリトールガムを噛むなど虫歯に対する意識を高めるだけでも虫歯予防に繋がります。 歯科医での予防歯科ではホームケアではできないようなクリーニング、ブラッシング指導が受けられるので、定期健診を受けることが一番の予防法です。 親知らずの抜歯や矯正治療も汚れのたまりやすい歯を改善するので、虫歯予防になります。