保険診療で代表的な銀歯での治療、銀歯を入れている人も多くいらっしゃるのではないでしょうか?そこで今回は銀歯のメリットとデメリット、そしてデメリットへの対応策をお話しします。
保険の銀歯のデメリット
(1)2次カリエス
最初はピッタリとはまっている詰め物や被せ物も、年数が経って劣化することで隙間が生じます。その隙間に虫歯菌が入り込み再び虫歯を引き起こします。詰め物を外してみるとその中で虫歯が広がっています。
(2)メタルタトゥー
銀イオンが原因で起こる歯茎の黒ずみです。歯の根元の歯茎が帯状もしくは斑点状に黒く変色してしまった状態のとこをさします。差し歯や被せ物に銀合金を使用していると症状が起こる場合があります。
(3)金属アレルギー
お口の中の金属から溶け出したイオンが体の異変を引き起こします。個人によって様々ですが、皮膚への炎症や薄毛の報告もあがっております。
保険の銀歯のメリット
⑴ 保険診療の適応である
銀歯は保険診療の適応範囲であるため、比較的安価で歯を入れることができます。3割負担の場合、インレーで約2,000~2,500円、クラウンでも3,500~4,500円で歯が入ります。前歯に入れる金銀パラジウム合金を使用したレジン前装冠でも8,000円くらいです。
⑵ “噛む”という機能性
“噛む”ということについては、保険の銀歯でも自費のセラミックでも同じくらい機能性があります。奥歯の大きい虫歯や歯冠が崩壊したような虫歯、神経までいってしまった虫歯などは、修復する範囲がどうしても大きくなってしまいます。その場合、保険でできるコンポジットレジン修復よりも金属の方が硬くて割れにくいため、保険の範囲で治療するなら銀歯を選択した方がいいです。
⑶ 割れない耐久性
ある程度の厚みを持たせて銀歯を作製すれば、銀歯は割れることが少ない耐久性を持っています。コンポジットレジン修復では割れてしまうような大きい範囲では金属で治療することをお勧めします。またブリッジなどの大きい修復にも使用しています。
では対策は?
⑴ 虫歯にならないようにする
銀歯を入れなければならなくなった本来の原因は、虫歯であることがほとんどです。特に大臼歯や小臼歯で範囲が大きくなるような時は、隣接面(歯と歯の間)が関わるような虫歯が多いです。奥歯の咬合面(歯の上の噛む部分)の虫歯や隣接面の虫歯では、主に間食が原因となることが多いようです。ちびだら飲み(ちびちび飲んだり、だらだら食べたりすること)や1日に何回も間食を挟んでいる人は要注意です。また歯ブラシの回数や時間もあります。1日3回3分以上の歯ブラシ習慣を心がけましょう。
(2) セラミックを選択する
セラミックと聞くと高い歯と感じてしまう方も多いと思います。実際に保険の銀歯に比べると、その費用は約10倍にもなります。保険には負担割合があるのに対して、自費は全て10割負担になるのもその理由の一つです。しかし、セラミックは銀歯のデメリットを全て補うだけのメリットがあります。
セラミックに関しては次回詳しく説明したいと思います。